私の父親は女が仕事を持って、一丁前な顔をして働くことを嫌うタイプで、
幼いころから
「女なんだから」
「女のくせに」
と言われ続けて育った。
兄と弟とは、色々な面で区別されてきた。
先日、林真理子の『野心のすすめ』を読んだ。
かなり日にちが経ってしまって、今手元にはないので詳細は忘れたけど、
とても興味深く読んだ。
まず、これだけ独断と偏見で言い切ってしまうとこがさすがだなーと。
それで道を切り開いてきた人とはいえ、
ママチャリに子どもを乗せて奔走する母親を見下すとこなんて、
とっても感じ悪い。
ちなみに『葡萄が目にしみる』からのファンです。
美容室でan・anを手にしたら、後ろからページを開きます。
エッセイを読むといつも、彼女の物欲と食欲に圧倒されて
お腹いっぱい、胸やけ状態になるのだが、
当時44歳で出産のニュースを見たときは、心からあっぱれと思ったものだ。
女の幸せは全部がっちりどんな手段を使ってでも、全て手に入れる人生。
それを惜しみなく晒して、また欲しいものを手に入れる。
そんな生き方に憧れるかどうかは置いといて、
彼女の強さは見習いたい。
リアルタイムで、モーレツに叩かれてきたのを見ている読者としては、
『野心のすすめ』で自慢たらしく経験を語っていても、すんなり受け入れられる。
そして、思春期の子供を持つ親(特に女子の)は、子どもに読ませたほうが良いと思う。
せっかく苦労して育てて、
「自分、低空飛行で生きていければいいっす」
なんて生き方されたくない。
と、自己顕示欲40位の私でも思うのです。
(林真理子は120だそうです)
これからは、低空飛行しようにも難しい時代だということが、
この本を読むとよく解る。
「女なんだから」
では生きていけない。
ちなみに私の父親は、
私が子連れで出戻って、開業しちゃったあたりから、
なーーーんにも口出ししなくなりました。